本研究は社内の資源を活用し、従業員に対し起業活動を提供する教育・育成方法を明らかにすることを目的にしている。このような問題意識の下、フィンランドのノキア社が自社の従業員に提供したブリッヂ・プログラムの起業トラックに着目し、そのプログラムの運営側(ノキア社)が行ったサーベイ・データを用いて分析を行った。同時に、フランスとフィンランドの研究者の協力を得ながら、研究を行った。 最終年度の実績は以下の二点にまとめられる。1)研究内容修正を行った。アントレプレナー教育の効果が受講生のバックグラウンド(専門、仕事経験、など)によって異なることが分かった。例えば、研究開発部門出身であるか否か、またマネジメント経験があるか否かを考慮し、受講生のバックグラウンド毎に分析を追加的に行い、その内容を論文に反映した。2)研究成果を日本国内外のワークショップで発表した。参加者から、サーベイ内容の独自性・貴重性について指摘を受け、本研究で用いるデータの基調を再認識した。一方で、サーベイは研究代表者と協力研究者が作成したものではないことから、アカデミック研究で用いるための限界点も再度指摘された。 なお、本研究成果はディスカッション・ペーパーとして出版されている。出版以後、国際学会やワークショップの場で得たコメントを反映し、ドラフトを大きく書き直した。また、本研究成果を国際英文学術誌に投稿した。第2次査読のプロセスにある。
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