研究課題/領域番号 |
15K17141
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
長尾 雅信 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (50467065)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | place branding / 地域ブランド / よそ者 / CSV / ポートランド / 瀬戸内 |
研究実績の概要 |
本研究は地域ブランディングにおいて、地域間連携の重要性を企図し、その構図を明らかにすることを目的としている。 27年度の研究に基づいて、28年度は地域間連携やよそ者の受容がなされているいくつかの地域へのフィールド調査を行った。アメリカで移住や起業が盛んな地域として注目されるオレゴン州ポートランド市では、多様なアクターへのインタビューに基づき、ポートランドにおいて起業を育む幾つかの地域コミュニティとアソシエーションの様相を整理した。研究の一部は日本マーケティング学会にて報告を行った。 またサイクリストの聖地として、国内外から注目されるしまなみ海道を有す尾道市での調査では、対岸の松山市や広島県、愛媛県との連携、ひいては大手自転車メーカーとの連携によって、地域ブランディングがなされている様相が明らかになった。企業城下町という典型的な地域と企業とのかかわり方が見直される中で、CSV(Creating Shared Value、共通価値の創造)を志向する企業が、自社の経済的価値と社会課題の解決という社会的価値の向上をなしていることが、地域ブランディングの文脈においても積極的に展開していることが明らかになった。 地域ブランディングにおいては、自治体や地域コミュニティの連携の重要性が指摘されてきたが、今年度の研究により企業がそのハブとして機能していることも明らかになった。また、並行して実施した人文地理学のレビューにより、地域ならではの感覚(センスオブプレイス)の存在とそのイメージとしての流通が地域ブランディングには重要であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ポートランド市の調査においては研究協力者を得ることができ、研究課題の解明、新規知見導出に結びつくヒアリングを行うことができた。また、成果の公表について出版社と協議し、出版計画についても目途が立っている。
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今後の研究の推進方策 |
次年度も初年度に導出した理論的フレームワークを基に、その援用水準を高めるべく、中山間地域から中核市の地域ブランディングの様相を調査する。今年度の調査において、CSV志向の企業が地域ブランディングのハブ、重要なアクターとなり得ることが明らかになったため、今年度はその点に着目し、中核市レベルにおいてそのような役割を担う企業にヒアリングを行うこととする。事例選定に関しては、マーケティング系の学会や地域ブランディングに関わる各種研究会に参加し、情報収集を図り、フレームワークの精緻化を目指す。
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