「ひいき」のような自身あるいは所属集団(内集団)の利益を最大化する偏った選好や行動は、自己のアイデンティティや感情的な側面と結びついていることに加えて、非意図的(無意識)に認知処理が行われるため修正が難しい。しかし、そのメカニズムを分析し、本人が意図しない形で変化や修正する仕掛け(仕組みや制度)を構築することは、差別等の社会課題解決に繋がるだけでなく、SDGsなどの地球課題や未来課題の解決にも繋がる点で極めて重要である。また、これらは技術進化や自然科学研究だけでは解決困難な課題であり、人や社会を対象とする人文・社会科学的研究として取り組む価値が極めて大きい。
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