本研究では社会学の会話分析の手法を用いて、さまざまな接客場面のサービスエンカウンター(江戸前鮨屋、ハンバーガー屋、イタリアンレストラン、ジュエリーショップ、クリーニング店、寝具小売店など)における、サービスの価値創出過程の解明を試みた。この背景には、店員と客を含めた、サービスに携わる複数の人々の相互行為からサービスの価値が共同で創出されると考える、サービス中心論理(Vargo & Lusch, 2004)の近年の理論的展開がある。とくに本研究では、複数の接客場面の比較から、各々のサービスエンカウンターにおいてどんな価値が店員と客との相互行為を通じて創出されているかを具体的に明らかにした。
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