研究課題/領域番号 |
15K17145
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩下 仁 九州大学, 経済学研究院, 講師 (30608732)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 市場志向 / 代替的志向 / デザイン志向 / 製品開発 / マーケティング |
研究実績の概要 |
本年度については、前年度に実施した市場志向ならびに代替的志向性の先行研究を踏まえて、市場志向ならびに代替的志向性が内部環境モデレーター(組織構造や組織要員など)に作用されながら製品優位性に影響を与え、さらに外部環境モデレーター(市場や技術の環境状況)に左右されながら成果変数に影響を与えるという一連のメカニズム解明に関する仮説モデルを導出している。仮説モデルを導出するに当たっては、先行研究の知見のみならず、代表的なビジネス誌(Economist等)、さらには、ビジネス・パーソンへの取材をもとに、当該モデルの導出を試みた。 本研究を進めていくうちに、先行研究では、代替的志向性のなかでもデザイン志向に関してはこれまで、頑健な尺度開発がなされていないことが明らかとされた。そのため今後、デザイン志向(Design Orientation)の尺度開発をおこなっていく必要があると考えている。消費者視点からみた製品デザイン尺度はすでに開発されていることから(eg., Moon et al. 2014; Homburg et al. 2016)、先行研究を参考にしながら、企業視点でデザインをとらえたデザイン志向の尺度開発が求められる。尺度開発においては、本研究の原点となる萌芽的研究であるNarver and Slater(1990)で尺度開発がなされているため、この研究を参考にしながら、デザイン志向の尺度開発を試みていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度の目標は、以下の2点であった。第一に、市場志向ならびに代替的志向性が内部環境モデレーター要因(組織構造や組織メンバー)に作用されながら、製品優位性に影響を与え、さらに外部環境モデレーター要因(市場や技術の状況)に左右されながら、成果変数に影響を与えるという一連のメカニズム解明の仮説モデルの導出であった。第二に、デザイン志向の尺度開発であった。前者については目標を達成できたが、後者については代表者にMethodologyが不足していたため、それらのMethodを知るために予想以上に時間を要した。そのため、研究プロジェクトの進捗が遅れたしだいである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究において必要となるデザイン志向の尺度開発に関しては、代表者が研究協力者となっている、基盤B研究と内容が重複している。したがって、基盤B研究プロジェクトと連携をとることで、当該プロジェクトのスピードならびに、発展に寄与させることができると考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していたデザイン志向の尺度開発のための調査実施に至れなかった点が使用額の発生要因である。
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次年度使用額の使用計画 |
使用されなかった研究費に関しては、デザイン志向の尺度開発の際、当初の予定通り、執行されることとなる。
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