本研究の目的は3つあった。第一の目的は、日本独自の「おもてなし」概念を定義づけることである。第二の目的は、「おもてなし」を構成する要因を抽出し、体系化することである。第三の目的は、「おもてなし」を海外輸出するにあたっての戦略を明らかにすることである。 本研究は、今年が最終年度の3年目にあたるが、本年度の研究予定としては、当初は海外現地調査や、全体のとりまとめ・研究成果の発信を行う予定としていたが、海外現地調査に関しては、研究代表者の妊娠・出産により、予定していた海外現地調査を十分に行うことが出来なかった。そのため、代替する措置として、文献調査やインターネットでのアンケート調査を行った。具体的には、文献調査としては、「おもてなし」を標榜して海外に進出している企業に関する新聞・雑誌記事、書籍・論文に目を通し、こうした二次資料から、各企業の「おもてなし」概念の捉え方、「おもてなし」を海外輸出するにあたっての戦略を整理・分析した。一方、インターネットでのアンケート調査では、二次資料でとりきれない部分を補う目的で、サービス業で働く人200名を対象に、上記3つの目的を達成すべく設定した様々な質問項目に対する回答を得た。これにより、今年度に関しては、実際現地に行って状況を調べるという目的を果たすことは十分に出来なかったものの、定量調査を行うことで回答数としては多くとれ、数値データとして結果を可視化することが出来た。 研究成果の発信としては、著書1本(分担執筆)、論文2本(単著)執筆した。(※著書1本と、論文1本は掲載済み、論文1本は平成30年5月掲載予定)
|