研究実績の概要 |
本研究の目的は、ネットワーク型取引の視点から産業材市場における売り手と買い手の関係性についてメカニズムを明らかにすることである。 最終年度である平成30年度は、企業が「リスクに対してどのように考えているか」といったスタンス(あるいは、志向性)が、サプライチェーン・レジリエンス能力や企業パフォーマンス、ひいてはリレーションシップ継続意向などに及ぼす影響について検証することを目標とした。この目標を達成するために、質問票を用いたサーベイ調査を実施している。 企業を対象としたサーベイ調査は、十分なサンプル数を確保することが課題となる。そこで、日本サプライマネジメント協会の協力を頂き、会員企業(購買責任者)を対象にサーベイ調査を実施するに至った(調査期間:2018年11月~1月)。その際、少しでも回答率を上げるため、インターネット上の電子調査票へ回答者を誘導する手法を採用している。このため、インターネット調査会社を用いて調査票画面を作成するための費用が発生している。当初目標としていた回答者数に達成しなかったものの、少数サンプルでも可能な統計的手法を用いることで速報結果を得ることができた。尚、データ分析をおこなうに際し、研究協力者のサポートを得ている。 結果については、「サプライチェーン・レジリエンス―ネットワークアプローチ―」(大平 2018)(『マーケティングジャーナル』, 第37巻3号, pp.132-147)の内容と合わせてまとめられ、日本商業学会九州部会(2019年3月9日開催、於:中村学園大学)で学会報告することができた(※上述の研究協力者との共同報告である)。学会では、研究者や実務家らから有意義なフィードバックを得ることが出来た。
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