研究課題
本研究は、地域ブランドの構築における多様なアクターの関係性の生成と変容がどのように起こるのか、その結果地域ブランドの構築がどのように進むのか、明らかにすることを主な目的としている。本研究の開始初年度に、当初本研究を計画した時点とは研究代表者の所属機関が変更になったため、研究計画の一部見直しを迫られたものの、可能な範囲内で研究計画の見直しを行い、当初の目的が達成できるよう研究を進めてきた。具体的には、地域ブランドやソーシャルマーケティングに関する理論展望を進めつつ、事例考察を行い、新たな理論的視座の検討を進めてきた。事例研究では、ふるさと納税を通じた寄付規範の形成プロセスに注目し、上記課題に関する理解を深めてきた。これまでの成果として、直接的にターゲット顧客に働きかけるマーケティング活動を捉えるダウンストリームと、政策決定者などより社会の上位の意思決定者に働きかけるマーケティング活動を捉えるアップストリームの連動が社会全体での規範形成に重要な役割を果たすこと、商業マーケティングを応用して展開されるソーシャルマーケティングは必ずしも社会的に好ましい効果を生むわけではなく、好ましくない効果に対する逐次的な解消の仕組みを理解する必要があることなどを明らかにしてきた。また、これらの考察を進める上で、特にマクロマーケティング研究において注目されている統治性概念に注目することの有益性を検討した。これらの結果は、国内外の査読付研究雑誌への掲載や学会発表を通じて研究成果として公表した。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件) 図書 (1件)
Markets, Globalization & Development Review
巻: 3 ページ: 1-24
https://doi.org/10.23860/MGDR-2018-03-01-03
Market, Globalization & Development Review
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https://doi.org/10.23860/MGDR-2018-03-01-05
International Journal of Marketing & Distribution
巻: 2 ページ: 37~52
https://doi.org/10.5844/ijmd.2.2_37