介護施設を営む社会福祉法人を対象に、原価計算情報を活用できる経営管理者の特性に関して実証研究を行った。本研究では特に、財務的な危機において非営利組織である社会福祉法人のトップが、原価情報を意思決定にどのように利用するのか、その際に組織ミッションと原価情報に基づく判断の間にコンフリクトは生まれないのかといった点に注目した。アンケート調査およびインタビューの結果、危機的な状況において経営者が意思決定をする際には時間的なプレッシャーの影響が大きいこと、組織ミッションの中で代替案を選択していることが分かった。
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