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2016 年度 実施状況報告書

財務制限条項の役割に関する包括的実証研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K17156
研究機関筑波大学

研究代表者

中村 亮介  筑波大学, ビジネスサイエンス系, 准教授 (40549713)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード財務制限条項 / 投資行動 / 負債コスト / 財務活動 / エージェンシーコスト / 不完備契約理論
研究実績の概要

本年度は,昨年度に行った実態調査をもとに仮説を構築し,会計行動・経営者行動・ディスクロージャーに分けて財務制限条項の役割をパネルデータから実証的に検証することを目的とした。まず,財務制限条項の抵触というイベントに株式市場がどのように反応するかを検証した「財務制限条項への抵触の公表に対する株式市場の反応」(『會計』第190巻第2号,111-125頁,河内山拓磨氏との共著)を発表した。また,財務制限条項が借り手企業の投資行動にどのように影響するかを検証した「財務制限条項への抵触が企業の投資行動に及ぼす影響」『インベスター・リレーションズ』第10号,33-52頁,河内山拓磨氏との共著)も発表した。さらに,財務制限条項が借り手企業の負債コストにどのように影響するかを検証した「財務制限条項への抵触が企業の負債コストに及ぼす影響」(日本会計研究学会第75回全国大会自由論題報告,静岡コンベンションアーツセンター,河内山拓磨氏との共同発表)を学会にて発表した。以上3件の論文・学会報告を通じて,財務制限条項が様々なステークホルダーに重大な影響を及ぼしていることを学界に発信した。
加えて,財務制限条項と同じく企業の契約との関わりで重要性の高い報酬契約について考察した「業績連動型報酬制度をいかに機能させるか――実証研究の展開を踏まえて」(『企業会計』』第68巻第5号,44-54頁。)も公表した。そこでは,株価ベースの報酬のウエイト,経営者による利益調整への対処,事後的清算問題への対処,の3点について検討することが必要という結論に至った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画上,本年度は学会報告を2回,論文を2本発表すると記述したが,実際は学会報告を1回,論文を4本,著書(分担著)を1冊,公表することとなった。したがって,おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

今後は,研究計画通り,これまでに行った研究を踏まえて最終的に,どのような財務制限条項によって債権者および経営者のエージェンシーコストを最小化されるか,そしてどのようなディスクロージャー制度にすることが望ましいかを考察し,その成果を学会報告,論文にて公表することとする。さらに,著書として出版する準備を進める。

次年度使用額が生じた理由

これまでの実証結果をアウトプットする論文の執筆に注力していたため,海外の財務制限条項のデータベースの購入(70万円)が遅れ,当該年度の実支出額が少なくなった。

次年度使用額の使用計画

海外の財務制限条項のデータベース(70万円)について,契約を行っている最中であり,これに支出する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (1件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] 財務制限条項への抵触が企業の投資行動に及ぼす影響2016

    • 著者名/発表者名
      河内山拓磨・中村亮介
    • 雑誌名

      インベスター・リレーションズ

      巻: 10 ページ: 33-52

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 財務制限条項への抵触の公表に対する株式市場の反応2016

    • 著者名/発表者名
      中村亮介・河内山拓磨
    • 雑誌名

      會計

      巻: 190 ページ: 111-125

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] ポイントプログラムの簿記処理と新たな収益認識基準2016

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 雑誌名

      日本簿記学会年報

      巻: 31 ページ: 79-87

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 業績連動型報酬制度をいかに機能させるか――実証研究の展開を踏まえて2016

    • 著者名/発表者名
      中村亮介
    • 雑誌名

      企業会計

      巻: 68 ページ: 44-54

  • [学会発表] 財務制限条項への抵触が企業の負債コストに及ぼす影2016

    • 著者名/発表者名
      河内山拓磨・中村亮介
    • 学会等名
      日本会計研究学会
    • 発表場所
      静岡コンベンションアーツセンター(静岡県静岡市)
    • 年月日
      2016-09-12 – 2016-09-14
  • [図書] プロ野球「熱狂」の経営科学2016

    • 著者名/発表者名
      水野 誠 ・ 三浦 麻子・稲水 伸行 編著
    • 総ページ数
      237
    • 出版者
      東京大学出版会
  • [図書] エッセンス簿記会計(第12版)2016

    • 著者名/発表者名
      新田忠誓編著
    • 総ページ数
      390
    • 出版者
      森山書店

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公開日: 2018-01-16  

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