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2018 年度 実績報告書

組織において会計的知識が果たす機能についての実証的研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K17157
研究機関群馬大学

研究代表者

新井 康平  群馬大学, 社会情報学部, 准教授 (30550313)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード管理会計 / 生産管理会計 / 原価計算 / リーン生産 / リーン会計
研究実績の概要

最終年度であり,最終的な調査のとりまとめを行っている。
調査の概要は,次のとおりである。まず,調査対象工場・事業所については,一般財団法人群馬経済研究所の会員企業のうち,県内の製造業の670工場の住所等をまとめてもらった。この670の工場に対して2018年6月に質問票を郵送で発送し,7月末までに回答を求めた。最終的なサンプルサイズは,181工場であり,返信率は27.0%となった。
調査においては,会計知識に関する変数を被説明変数とし,工場の生産形態,管理会計,規模などを説名変数とし,影響要因を探求した。
被説明変数となる会計知識については,古典的ではあるがSiegel (1996)によって開発された尺度を用いた。これらは,本調査による因子分析により4次元となり,ソフトウェアの利用能力,財務諸表作成・分析能力,諸科目の測定・評価・説明能力,専門的情報・統制システム運用能力が抽出された。
説明変数は,直近で業績に影響を与える生産システムや管理会計について探索した先行研究の翻訳尺度を採用した。生産システムは,工場の「カイゼン志向」,「リーン生産」の2つの尺度で測定した。管理会計については,工場の管理会計がシンプルなものに改善しているかどうかという「管理会計のシンプル化」と業績情報が視覚的に表示されているのかという「業績視覚化」の2つの尺度で測定した。
共分散構造分析の構造方程式の推定結果のうち,有意なものをあげると,次のとおりである。まず,「管理会計のシンプル化」は「財務諸表作成・分析能力」に10%で,それ以外の会計知識には5%の有意水準で正の影響を及ぼしていた。つまり,管理会計をシンプルなものにする上で,多次元で高いレベルの会計知識が必要とされるのである。また,リーン生産の採用は財務諸表作成・分析能力に,業績情報の視覚化はソフトウェアの利用能力に,それぞれ5%の有意水準で影響していた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 医療機関におけるコスト情報と管理:整形外科手術コストの分析事例2018

    • 著者名/発表者名
      松尾貴巳,新井康平
    • 雑誌名

      国民経済雑誌

      巻: 217(5) ページ: 37-50

  • [雑誌論文] 日本企業におけるコスト構造とコストドライバーの変化 : 1980年-2009年における我が国製造原価明細書の分析2018

    • 著者名/発表者名
      庵谷治男,新井康平,小野慎一郎,妹尾剛好,福島一矩,目時壮浩
    • 雑誌名

      長崎大学経済学部研究年報

      巻: 34 ページ: 17-26

  • [雑誌論文] 予算管理が将来の財務業績に与える影響:予算期間に焦点を当てた分析2018

    • 著者名/発表者名
      妹尾剛好,早川翔,新井康平,安酸建二,横田絵理
    • 雑誌名

      原価計算研究

      巻: 42(2) ページ: 67-78

    • 査読あり

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公開日: 2019-12-27  

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