本研究は、企業組織のプログラム事業とプロジェクト間の実行メカニズムを管理会計的側面から明らかにしていくものである。その中で、企業のプロジェクト評価と事業プログラムの評価における業績評価尺度を仮説検証から明らかにし、関連マネジメントコントロールシステムの再構築を試みる。研究では、まず、関連する学際的文献調査を前提に、一連の関連する理論的貢献を収集分類する。そのうえ、関連する分野のフィールド調査をおこない、企業組織のプロジェクトを管理評価するための仮説モデルを検証することとその中での課題の抽出をおこなう。本研究では、これらの研究プロセスを通じて、企業組織における事業プログラムとプロジェクト間の一連のメカニズムを管理・評価するためのマネジメントコントロールシステムの構築を目指す。 平成30年度においては、フィールド調査とアンケート調査の実施、そしてそれの関連研究成果をまとめることを重視して研究活動をおこなった。 フィールド調査では、主に製造業を対象に企業を選定して、タイ王国(日本企業のグループ会社を含む4社)と、シンガポール(日本企業のグループ会社を含む5社)における企業の製品製造販売活動に関するヒアリング調査をおこなった。また、日本国内の公的組織と営利目的組織間でおこなったプロジェクト活動に関するヒアリング調査もおこなった。それと同時に当該研究期間中におこなった文献調査と専門家への意見収集、そしてフィールド調査から得られた知見をもとに、アンケート調査を実施、分析を行ったうえ、以上の活動に関する成果報告をおこなった。
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