本研究では,経営理念,経営方針,経営計画を総称した経営指針の確立に向けた運動に取り組むエコシステムにおいて,一定の時間をかけて経営指針を確立させ,試行錯誤しながらレベルアップしていくということを明らかにした。また,同会の特徴として,組織内における会計情報の積極的な開示と共有,トップダウンからボトムアップへの計画策定方法の変更,策定経験年数が増えることでレベルアップを図ることを確認した。他方で,経営指針の策定にまで至らない会員がいる,経営指針の策定をしても社内公表に至らない,社内公表をしても社内に浸透しない,社員参加型になるまでには時間がかかるという課題が把握されていることを確認した。
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