研究課題/領域番号 |
15K17178
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
金 ソンミン 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (60600426)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 東アジア / 国際化 / グローバル化 / 観光 / メディア / 日中韓 / アメリカ |
研究実績の概要 |
1945年以降の日本と韓国、中国における「グローバル化」と「国際化」をめぐるメディア、政策、法制度、産業、教育、市場、生活様式の展開を歴史的かつ実証的に探ることによって、戦後東アジア地域において「グローバル化」と「国際化」はどのように遂行され、どのような文化的産物を生み出してきたのかを明らかにする本研究の目的を果たすために、平成 27 年度においては、60年代以降の日本、80年代以降の韓国の国際化過程をメディアや観光文化を中心に、戦後東アジアにおける「冷戦戦略」や「開発主義」「産業的近代化」「国内政治」などが、「グローバル化」と「国際化」とどのように相互作用したのかを、グローバル化をめぐる学際的諸研究にもとづいて考察した。また、日本や韓国の資料を通じて、戦後直後からのアメリカニズムの作用を把握しながら、東京五輪が開催された60年代以降の日本、ソウル五輪が開催された80年代以降の韓国における国際化やグローバル化をめぐる実践・言説を探った。具体的な成果としては、 ①60-80年代日韓の国際化と観光文化について学会発表と論文執筆を行ったこと(東アジア観光文化研究会シンポジウム「観光空間としての東アジア」で、「越境のヒエラルキーー日韓の国交正常化と観光空間」を発表)や、②韓国と日本の国際化と文化的関係(「Boundaries and Developmentalism: The Cultural Context of the 1965 Korea-Japan Normalization Treaty」)について、国際学会(Western Conference of the Association of Asian Studies、October 9-10, the University of Utah) で発表を行ったこと、③「東アジア観光文化研究会」を立ち上げ、韓国のソウル大とともに日中韓共同研究を行ったことなどをあげられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
60以降の東アジアの国際化とグローバル化の動きを探ることを目指す本研究を行うになたって、観光とメディアを主なキワードとして捉えることによって、実質的な方法や進め方がより順調になった。
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今後の研究の推進方策 |
平成 28年度以降においては、平成27年度の研究成果にもとづいて、本格的な理論化かつ歴史化作業を進める。さまざまな学際的諸研究を踏まえ、それらの研究が看過している東アジアの現象をそれらの研究と理論的に結びつく普遍的かつ特殊なものとして位置づけ、独創的な理論化をめざす。また資料調査を通じて、戦後直後からのアメリカニズムの作用を把握しながら、高度成長が加速しはじめた60年代以降の日本、ソウル五輪開催とともに国際化を遂行しはじめた80年代以降の韓国、市場開放が本格化した90年代以降の中国における国際化やグローバル化をめぐる実践・言説を探る。
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