研究課題/領域番号 |
15K17179
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
伊藤 嘉高 山形大学, 大学院医学系研究科, 講師 (40550653)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 超高齢者 / 移動 |
研究実績の概要 |
サービス付き高齢者住宅に居住する高齢者の生活について考えるべき論点として何よりも重要なのは、いうまでもなく心身の問題である。しかしながら、家族、経済、社会関係、死生観に関する問題も同じように重要である。そこで、今年度は、サービス付き高齢者住宅でのインタビューに加えて、内閣府「高齢者の日常生活に関する意識調査2014年」の個票データ(東京大学社会科学研究所附属社会調査・データアーカイブ研究センターSSJデータアーカイブより提供)を用いて、以上の論点について高齢者全般の特性も確認した。 その結果、80歳以上になっても、要支援・要介護状態にならない限りは、衰退と喪失を重ねて、生きがいを感じなくなっているわけではく、多くは不自由を感じながらも自律した生活を過ごしていることが明らかになった。自立した超高齢者も数多く見られた。ただし、要支援・要介護状態になると、移動の自由が制限されるために、趣味や旅行などの活動が制限され、生きがいを感じづらくなっていくが、それは超高齢者に限ったことではない(移動の格差こそが今日の不平等の要の一端をなしていると言ってよい)。 もちろん、80歳以上では、要支援・要介護状態になる者の割合が増えていた。自立せず自律できず生きがいを感じることなく生活する人びとが増えていくのである。しかし、80歳以上であろうと、要支援・要介護者の半数近くは、身近な家族関係・社会関係のなかで自らの役割を見出し、生きがいを感じながら暮らしていることが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
高齢者の生活実態について定量的に把握したことで、ケース数が限られているサービス付き高齢者住宅居住者の生活を相対的に捉える視座を得ることができた。また、サービス付き高齢者住宅のインタビュー調査では、サービス付き高齢者住宅の事業者自体が、当地の地域社会とのつながりを重視しさまざまな取り組みを行っているケースに接することができ、広く「地域づくり」「まちづくり」におけるサービス付き高齢者住宅の役割についても研究対象を広げることができた。
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今後の研究の推進方策 |
サービス付き高齢者住宅を対象としたインタビュー調査を継続して行う。前年度で得られたサービス付き高齢者住宅の事業者の特性も踏まえながら、居住者のライフヒストリーの収集を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
山形市内での調査が主となり、謝金を要さなかったため、旅費と謝金について計画との差が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
山形市外にも調査を広げるとともに、28年度は実施することができなかったインテンシブな調査を実施することで、旅費、謝金の支出を行う。
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