「出入国管理及び難民認定法」の改正が施行された1990年以降、日本に居住する外国人の人口構造が量と質の両面で大きく変化してきた。日本では、これまで移民とネイティブ(すなわち日本国籍者)を直接比較できるようなデータの整備・公開が必ずしも十分ではなかった。そこで本研究では、ネイティブとの比較分析を通じ、日本社会における移民の地位達成過程構造の特質を解明することを目的として設定した。既存データの二次分析や独自に実施した社会調査データの分析結果から、第二世代移民の地位達成構造がネイティブと類似していることが明らかになった。ただし、同化した移民が機会と困難の双方に直面しうる点には注意すべきである。
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