研究課題/領域番号 |
15K17188
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
濱野 健 北九州市立大学, 文学部, 准教授 (40620985)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | グローバリゼーション / 結婚 / 家族 / 離婚 / ハーグ条約 / 親権 / 親密圏 / 国際結婚 |
研究実績の概要 |
研究計画初年度である本年度は以下の研究調査を実施した。始めに、研究内容に関連する国内外の先行研究についての資料を収集した。本年度収集した文献は、日本国内における家族法や婚姻・離婚などの制度に関する研究文献である。また、家族問題に付随して、家庭内のジェンダーに関連する文献、とりわけ養育、離婚後の共同養育に関連する現在の様々な問題について事例を取り上げて検証している研究に関する文献を取得するなどした。海外では、各国の家族支援制度についてなどの文献を収集した。 国内調査では、国内で離婚後の共同親権の実施に取り組んでいる団体を訪問し、団体の企画するイベントに参加するなどして参与観察を実施した。また、団体が発行するパンフレットや機関誌などを取得した。また、団体主催者などに聞き取りを実施し、これまでの活動の実績や、これからの活動方針などについての情報を取得した。その上で、こうした国内の団体が、ハーグ条約に由来する、親による国際的な子どもの連れ去りに対してどのように認識しているのか、そして条約に対する期待及び、自身が抱える同様の問題と、こうした国際的な家族の問題をどのように関連づけているかについて具体的な聞き取りを実施することができた。こうした調査は、次年度も継続して実施する。その他にも、国内研究協力者を訪問し、情報提供などを得た。 海外調査については、オーストラリアを訪問し、現地で家族紛争の支援にあたっているNGOなどを訪問し、その取り組みの概要とこうした問題を解決するためのガイドラインなどについての聞き取りを実施した。その上で、これらの団体が発行している各種のパンフレットなども取得した。また、ハーグ条約に関連する両親による国際的な子どもの連れ去りに関する対応についても聞き取りを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度の研究計画では、研究のための国内外の基礎文献の収集や、理論整理を実施すること、及び国内での比較調査の実施、日本国内での研究協力者との打合せを計画した。さらに、海外調査地の一つであるオーストラリアでの研究協力者への打合せや、日本人協力者への聞き取り、そして現地での関連施設への調査などを予定していた。こうした当初の計画については、おおむね全ての研究調査を実施することができたため、今回の評価とした。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度も継続して国内調査および、海外(アメリカ)調査(情報収集と現地日系団体への聞き取り)を予定している。年度前半には主に国内での協力団体への調査を重点的に実施する。 その後、後半には、アメリカでの研究協力者との打合せや、協力団体への調査準備(次年度に本格的に実施予定)を行うことを予定している。また、昨年の研究成果と併せて、本年度はその一部を学会報告及び論文投稿などにて公表する。 これにあわせて、昨年度に引き続きオーストラリアでの現地調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、本研究計画が数カ年にわたる計画を申請時より予定しているため、引き続き継続的な研究活動を実施する予定による。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は備品として図書の購入計画を予定している。質的調査方法論、移民の定住支援、日系人社会研究などに関連する文献を取得する予定である。また、オーストラリアやアメリカでの海外調査、及び日本国内での調査を予定している。またその成果を学会で国内外の学会で報告することも予定している。
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