本研究は、2016年度に刊行した博士論文を本とする単著『社会運動のサブカルチャー化』(せりか書房)『社会運動と若者』(ナカニシヤ出版)、また論文(英語1報、日本語3報)を通じて、現代社会における「カウンターカルチャー」から「サブカルチャー」としての社会運動の変容を捉えることが可能になった。かつて一つの組織や党派として括られていた社会運動は、作法や規範に対する考え方の違いをめぐって分化し、その背景には個人化・流動化がある。 今後の可能性として、従来の中間集団・中間団体の有効性が低減している中、流動的なキャリアを持った人々を包摂する「社会的プラットフォーム」としての社会運動研究を提示したい。
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