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2015 年度 実施状況報告書

パネルデータを用いた初期キャリアの計量分析―大学生の人間行為力・機会・制度―

研究課題

研究課題/領域番号 15K17198
研究機関千葉大学

研究代表者

吉岡 洋介  千葉大学, 文学部, 助教 (90733775)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードパネルデータ / インターネット調査 / 大学4年生 / 大卒就職 / 仕事への不満 / 離職
研究実績の概要

1、2015年6月に全国の大学4年生(2016年卒予定)を対象にしたインターネット・パネル調査(第1波)を計画通り実施した。全国の大学4年生に限定し質問紙調査を行うという稀有な試みであったが、インターネット調査を活用することで多変量解析にたえうるケースの回答が得られたと考える。今後の研究展開として、2016年4月に就職(つまり学校から職業へ移行)した同一回答者を対象に追跡調査(第2波)を実施する。また制度の影響を明らかにするコーホート比較のため、同じ4月に、大学4年生(2017年卒予定)を対象とした第1波調査も実施する。国内でも稀有なインターネット・パネル調査という社会調査法の可能性について、次年度以降の研究成果が期待される。

2、パネルデータを用いた若者の初期キャリアの計量分析を行った。具体的には、40歳以下の男性従業員の仕事への不満意識がその後の従業先からの離職に及ぼす影響について、既存のパネルデータの2次分析を行った。多変量解析の結果、若年男性従業員の不満意識がその後の離職に及ぼす影響には、意識の主効果のみならず雇用形態や職業内容との交互作用効果が存在することを明らかにした。この研究成果は、パネルデータを用いた意識変数(人間行為力)の主効果と機会変数(性別や大学タイプ)との交互作用効果の検討という本研究について、計量分析法の点で参照されるという意義を持つ。この研究成果は、2015年8月に国内学会大会で発表したのち、国内学会誌に投稿し査読を経て掲載が決まった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究成果の発表については、パネルデータを用いた2次分析の研究成果について、学会発表を行い、査読つき投稿論文の掲載が決まったため、順調といえる。インターネット・パネル調査も計画通り実施できた。

今後の研究の推進方策

とくに2016年度は、4月に就職(つまり学校から職業へ移行)した同一回答者を対象に追跡調査(第2波)を実施する。また制度変更の影響を明らかにするコーホート比較のため、同じ4月に、大学4年生(2017年卒予定)を対象とした第1波調査も実施する。

大学4年生(2017年卒予定)の調査では、調査計画に一部変更がある。大学4年生の就職活動解禁が、2016年卒生以降は8月となる予定であったが、2017年卒生では6月に再変更になったのだ。この突然の制度変更は研究計画段階では予期できなかった。しかし、2017年卒予定者の第1波調査の実施を、6月から4月に早めることで、解禁までの期間(2ヶ月)をコーホート間で同一にしこの問題に対応する。

次年度使用額が生じた理由

当初の研究計画どおり、2016年度は2015年度と異なりインターネット調査を1回多く実施し計2回実施する。2016年度に前年度分の一部を使用するのは、調査を2回実施するためである。

次年度使用額の使用計画

4月に実施するインターネット調査に使用する。2016年卒生(第2波)調査は2016年度分を使用し、大学4年生(2017年卒生:第1波)調査の1部に前年度分を全額使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 男性従業員の仕事への不満が離職に及ぼす影響―不満の解消機会に注目して―2016

    • 著者名/発表者名
      吉岡洋介
    • 雑誌名

      フォーラム現代社会学

      巻: 15 ページ: 印刷中

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] パネルデータ分析に見る労働市場の流動化―仕事満足にかかわらず勤め続ける者、離職する者―2015

    • 著者名/発表者名
      吉岡洋介
    • 学会等名
      数理社会学会
    • 発表場所
      大阪経済大学(大阪市東淀川区)
    • 年月日
      2015-08-29 – 2015-08-30

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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