研究課題/領域番号 |
15K17198
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉岡 洋介 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (90733775)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | パネル調査 / 就職機会 / コミュニケーション能力 / 学歴社会論 / シグナリング理論 / 大学生 / 制度 / 人間行為力 |
研究成果の概要 |
インターネットパネル調査を実施し、大学生のコミュニケーション能力や人間行為力がその後の就職結果に及ぼす影響について明らかにした。おもな研究成果としては(1)大学生のコミュニケーション能力がその後の大企業就職に影響するということについて証拠は得られなかった。(2)コミュニケーション能力のような学生の内面以上に学生が所属する大学名が就職機会にとって重要であるという従来の学歴社会論の頑健性が示された。 今後の課題としては、コミュニケーション能力以外の心理変数の影響の検討と、他のコーホートの分析による結果の頑健性の確認が挙げられる。
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自由記述の分野 |
社会階層論
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インターネットパネル調査を用いた計量分析の結果、大学生のコミュニケーション能力がその後の大企業就職に影響するという証拠は得られなかった。学生の内面以上に学生が所属する大学名が就職機会にとって重要であるという本研究の結果は学歴社会論の頑健性を示すものとして学術的意義がある。また、就職機会において、曖昧な能力よりも能力の代理指標こそ重要であるとするシグナリング理論の有効性を示す点も学術的意義といえる。 社会的意義としては、本研究成果は、自己分析やコミュニケーション能力など学生の内面を強調し、自己責任の過度な強調につながりかねない社会の風潮に対し実証的な立場から慎重さを求めるものである。
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