研究課題/領域番号 |
15K17201
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
大井 由紀 南山大学, 外国語学部, 准教授 (10551070)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 不法移民 / グローバル・ガバナンス |
研究実績の概要 |
今年度は年度途中より体調不良、9月から休業、その後産前産後休暇という状況になった。そのため、当初の計画通り行えた部分・できなかった部分が生じた。具体的には、先行研究の整理(移民の識別・認証関連、優生学関連)はある程度進めることができたが、出張が必要な史料料収集・学会報告は行えなかった。また、論文は2本執筆した。うち1本は、19世紀後半のアメリカで移民排斥の公的ロジックが変遷する中で、どのように「不法移民」というカテゴリーが創造されたか論じた。具体的には、チャイニーズに対する排斥諸法がなぜ必要とされ、合憲性が疑問視されるなかでどのように正当化されたのか、排斥諸法への反対運動が挫折した背景、連邦最高裁判所の判例をもとに、人種主義が国家の安全保障という枠組みのなかで「主権」と「セキュリティ」の問題にすり替えられたことを明らかにした。このようなアメリカの事例を踏まえつつ、もう1本では、第二次世界大戦後の移民のグローバル・ガバナンスの変遷とそれへのアメリカの介入・スタンスについて論じた。具体的には、第二次世界大戦前後に「移民・難民問題」が各国の個別の問題から国際社会で解決すべきイシューへと変化した背景、国家間でグローバル・ガバナンスを形成するにあたってアメリカとILO・国連が対立した背景、戦後の「移民・難民問題」の国際社会における位置づけの変化、このイシューをめぐるグローバル・ガバナンスの必要性と問題点・困難について論じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
妊娠による体調不良と産前・産後休暇のため、計画通り研究を遂行でなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は研究を中断し、2020年度に再開する手続きをとった。2020年度に学会報告・論文投稿を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
妊娠による体調不良と産前・産後休暇のため、研究を年度途中で中断しました。2020年度に再開後は、史料収集・学会報告を中心に使用する予定です。
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