本研究事業では、中国を中心に高度人材の国際労働移動について調査を行った。特に中国では、東北部と沿岸部、内陸部に分けて調査を行い、各地域で若年高度人材の国際労働移動にどのような傾向の違いがみられるのかについて、聞き取り調査を行った。その結果、中国の最上位大学出身者でも日本での就職には多くの障壁があり、本人が希望するキャリアパスを描けていない実情が明らかになった。とりわけ、日本語の障壁は高く、日本語以外のスキルは非常に高くても、日本語能力が劣っていた場合、国際労働移動は実現していなかった。日本への国際労働移動を希望する若年高度人材のインセンティブは、給与や待遇ではなく、日本での生活経験であった。
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