| 研究課題/領域番号 |
15K17207
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| 研究機関 | 神戸学院大学 |
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研究代表者 |
李 洪章 神戸学院大学, 現代社会学部, 講師 (20733760)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 民族経験 / ディアスポラ / 在日朝鮮人の渡韓 / 祖国訪問 / 在日朝鮮人運動 |
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| 研究実績の概要 |
本年度は主に以下の４点に関する調査・研究を実施した。
①在日朝鮮人の渡韓経験に関する調査・・・３月に韓国を訪問し、４名の韓国人男性と結婚した在日朝鮮人女性への聞き取り調査を行った。調査では主に、韓国での生活や、渡韓前後での祖国観・民族観の変化、韓国社会からの眼差し、在日女性間のネットワークなどについて、話をうかがうことができた。調査の過程で、在日朝鮮人妻のコミュニティを紹介してもらえることになったので、来年度夏に再度訪韓し、調査を行う予定である。
②祖国訪問団の参与観察・・・８月に、日本の大学教員を主な対象にした共和国訪問団に参加し、訪問団のツアー内容について調査した。在日朝鮮人の祖国訪問団への参与観察は適わなかったが、同時期に学生訪問団に参加していたメンバーや受入機関への簡単な聞き取り調査を行うことができた。再来年度に本格調査のための訪朝を企画している。
③在日朝鮮人運動をめぐる相互行為に関する調査・・・本年度は６０年代から７０年代にかけての在日朝鮮人運動に関する資料や文献の収集に努めた。特に、当時の運動の変化を定住志向の高まりとして説明する傾向の背景や、韓国の民主化運動における在日朝鮮人表象のあり方に着目して、資料を収集した。前者に関しては、当時の運動に詳しい田中宏一橋大学名誉教授や内海愛子恵泉女学園大学名誉教授にお話をうかがう機会を得ることができた。
④理論的考察・・・これまであまり触れることができなかった、韓国における「ディアスポラ」、「多文化家族」に関する研究を検討をおこなった。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね当初の研究計画通りに進展しているが、朝鮮半島情勢を考慮すると、韓国と朝鮮民主主義人民共和国の両方を頻繁に往来することが困難な状況があるため、韓国での調査が若干遅れている。来年度は韓国、再来年度は祖国訪問団の調査に注力することで、遅れを取り戻したいと考えている。
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| 今後の研究の推進方策 |
来年度は渡韓した在日朝鮮人女性のネットワークを中心に調査を行い、かのじょたちの民族や祖国をめぐる経験の詳述する。また、日本国内で、６０，７０年代の在日朝鮮人運動に携わった者への聞き取り調査を実施する。祖国訪問団の調査については、再来年度以降に計画をずらし、訪問団参加者への聞き取り調査と訪問団での参与観察を実施する予定である。
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