研究課題/領域番号 |
15K17215
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研究機関 | 滋賀大学 |
研究代表者 |
榎本 祐子 (平田) 滋賀大学, 教育学部, 講師 (90707621)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 利用者支援事業 / 利用者支援専門員 / ネウボラ |
研究実績の概要 |
本研究は利用者支援事業のためのニーズアセスメントツールの原版を開発しようとするものである。 1年目となる今年度はこの目的に向かって、大きく2つの取り組みをおこなった。 1点目は本年度から利用者支援事業を実施している自治体の利用者支援専門員及び担当部署職員で構成されている会議に月1回参加した。現場で役に立つニーズアセスメントツールを作成するためには、実際に利用者支援事業を実施していこうとする現場においてどのような問題があるのかを知る必要がある。また、現場での協力を得ることでより使いやすいニーズアセスメントツールを作成できる。今年度は特に、事業を円滑に実施していくための実際の課題について検討し、これを会議の1年の成果として報告書としてまとめた。 2点目はフィンランドの子育て支援サービスの1つであるネウボラの視察をおこなった。利用者支援事業の母子保健型はフィンランドのネウボラを参考にしているものである。フィンランドでは利用者に高い人気を誇る子育て支援サービスであり、実際に視察をすることで我が国の利用者支援事業の課題について明らかにすることができると考えた。視察では、実際のネウボラのケースの視察、利用者インタビュー、ネウボラナースへのインタビュー、ネウボラナース養成校教員へのインタビュー及びネウボラの研究をおこなっている研究者へのインタビューをおこなった。その結果、ネウボラナースに専門職としての地位が確立されていること、利用者との信頼関係が構築できていること、関係機関と利用者の情報を共有するためのシステムがICTによって整備されていることがわかった。これらは我が国の利用者支援事業の実施においても非常に重要な要素であり、今後の事業の課題について知ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は利用者支援事業を先駆的に実施しているところに視察にいくこと、実際に事業を実施している市町村にインタビューをおこなうことなどを通して事業の全体的な課題をつかむことを目標としていた。 当初は予定にはなかったが、フィンランドのネウボラを視察し、うまくいっているサービスについて多角的に知ることで我が国の利用者支援事業の課題を捉えることができた。 また、一時的なインタビューだけでなく、定期的に1つの自治体と事業の円滑な実施に向けて取り組むことができ、ニーズアセスメントツールを作成するための基盤を築くことができた。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き自治体と協力しながらニーズアセスメントツールの原版の作成に取り組む。また、今年度の研究成果についても論文等で広く発信するために準備を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品の購入が次年度にずれ込んだため。
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次年度使用額の使用計画 |
物品の購入に使用する。
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