本研究は利用者支援事業のためのニーズアセスメントツールの原版を開発しようとするものである。2年目となる今年度はこの目的に向かって大きく3つの取り組みをおこなった。 1点目は滋賀県東近江市の利用者支援専門員及び担当部署職員で構成されている子育てコンシェルジュ会議に月1回参加した。利用者支援事業は事業がスタートして間もない事業であり、情報も少ない。各自治体の実情について発信する必要があることから東近江市子育てコンシェルジュ事業の実践の実態や課題について論文として発表した。 2点目は東近江市子育てコンシェルジュとともに神奈川県横浜市の横浜子育てパートナー事業及び保育・教育コンシェルジュ事業の視察に行き、利用者支援事業の基本型と特定型それぞれの役割や連携の課題についてインタビューをした。各市それぞれのよい点、共通の課題、それぞれの課題について知ることができ、ニーズアセスメントツールの原版作成のためのヒントを得た。 3点目は1年目でフィンランドのネウボラでうまくいっている点を我が国の子育て支援にどのように生かせるかという視点で論文を発表した。利用者支援専門員がアセスメントを実施するためにはニーズアセスメントツールだけでなく、ツールを使うために必要なスキルを習得する必要がある。その点について3年目につながる論文となった。 以上3点を踏まえ、最終年度は利用者支援事業のための簡便なニーズアセスメントツールの原版及びマニュアルの原版も作成することを目指す。
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