本研究は利用者支援事業のためのニーズアセスメントツールの原版を開発しようとするものである。最終年度となる今年度は目的であるアセスメントツールの原版を開発し、完成させた。 1年目、2年目は利用者支援事業を実際に実施している市町村への実態調査及び先駆的な取り組みとしてフィンランドのネウボラの視察を実施した。2年目以降、これらの調査で明らかになったことを論文として発表した。これらの研究を通して現場で活用しやすい簡便なアセスメントツールおよびマニュアルの構想をおこなった。 最終年度である3年目はソーシャルワークとしてのアセスメントツール開発の研究者である知念奈美子氏に協力を得て、利用者支援事業のための「利用者状況アセスメントシート」及びこれを有効に活用するための「利用者状況アセスメントシートマニュアル」を作成した。また、関連機関から得た情報を整理するためのシートも補足として作成した。 このアセスメントシートは東近江市子育てコンシェルジュ(利用者支援事業基本型)に使い勝手について意見をいただき修正もおこなっており、現場の実態に寄り添ったアセスメントシートとなるように心がけた。 アセスメントシートはインターネット上で無料公開しており、誰でも簡便にアクセスできるようになっている。今後は広く利用者支援専門員にアセスメントシートを使用していただき、さらに現場の意見を反映させたものに改善していきたいと考えている。
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