本研究は生活困窮者自立支援制度、生活保護制度、福祉的貨幣貸付制度(以下、生活困窮対策)などを利用する人々のスティグマの実態と、それらが制度にどのような影響を及ぼしているのかなどスティグマの壁を実証的に明らかにすることが目的である。そこで援助者と利用者に対してインタビュー調査を実施した。 その研究成果は、主に2つである。ひとつは、制度利用による利用者自身のスティグマの増幅であった。これは特に生活保護の利用者にみられた。もうひとつは、地域や世間から制度利用者にむけられる負のまなざしに対して利用者自身がスティグマを感受していたことであった。
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