本年度(平成29年度)は過去2年間の取り組みをふまえて、学会報告と論文投稿(掲載済)を行った。具体的には、日本社会福祉学会と日本福祉図書文献学会で報告を行い、総合社会福祉研究所の『総合社会福祉研究』と日本医療総合研究所の『国民医療』に論文が掲載された。また、研究発表の他にも、応募者が参加している研究会などで研究報告や意見交換を積極的に行っている。さらに、本年度も勤務校の公開講座や研修、市民団体や職能団体の研修会などで講演を行うことによって、研究成果の還元をしてきた。 研究内容としては、研究計画で挙げた2.最低生活保障のあり方=社会保障の基本原理の提示、3.社会科学研究の方法論に関する提言、を中心に行った。特に、平成27年~28年度に公表した研究成果への反応(批判)もあったため、その批判に対して反論することを心がけた。 3年間の研究期間を通じて、概ね当初の予定通りに研究を進めることができた(一定の研究成果を出せた)。研究資料を収集し、それを分析して、研究会などで継続的に報告と議論を行った。それらの成果を学会で報告し、著書としての出版及び学会誌や雑誌に投稿した。 本研究テーマは副題で「実証主義への批判的検討を中心に」としたように、既存の研究への批判が中心であった。新たな視点からの研究についても公表したが、まだ課題も残されている。今後も残された研究課題に積極的に取組み、最低生活保障の基本原理構築という課題に応えたいと考えている。
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