<研究目的>本研究は、グループホームに入居後もその人らしい生活を継続する為に、利用者はどのように入居先を選択し、どのような生活を望んでいるのか、利用者側の声から実態を明らかにしようとする研究である。また、グループホームの職員側から考えられる、利用者がグループホームを選択する際の基準や、利用者が望むグループホームのあり方について、現状の取り組みから明らかにする。<研究方法>対象者は、①グループホームの入居者、②グループホームの入居者の家族介護者、③グループホームの施設長、④グループホームの介護職員の4者である。半構造化面接法による個室での個別ヒアリング調査を実施した。 <今年度実績>関東にある6箇所のグループホーム(うち1箇所は昨年度も実施)において、上記①7名、②5名、③5名、④5名を対象にヒアリング調査を実施した。 ①入居前に見学をしたと答えた利用者は一人もいなかった。入居することを事前に説明されたのは3名、説明されなかったのは2名、嫁に配慮し自ら決断したのは1名、無回答1名であった。 ②家族介護者は、見学時の施設の雰囲気、見学時の他入居者の様子、施設長の雰囲気、職員の雰囲気、職員の対応、面会のしやすさなどの立地条件、金銭面、手作りの食事、趣味活動の継続などを選択基準としていた。 ③施設長が考える入居先の選択基準としては、見学時の施設の雰囲気、見学時の他入居者の様子、職員の雰囲気、面会のしやすさなどの立地条件、金銭面、医療が必要になった場合の対応、普段の生活の様子、入浴の頻度や設備、職員の構成、清潔感、居室環境などであった。 ④介護職員が考える入居先の選択基準としては、見学時の施設の雰囲気、見学時の他入居者の様子、職員の雰囲気、職員の対応、面会のしやすさなどの立地条件、金銭面、医療が必要になった場合の対応、普段の生活の様子、入浴の頻度や設備、外出の頻度、趣味活動の継続などであった。
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