研究課題/領域番号 |
15K17230
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研究機関 | 日本福祉大学 |
研究代表者 |
小林 勇人 日本福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (10551096)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ワークフェア |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、ワークフェアの実態を把握するとともに、その実態に基づいた政策評価を行う分析枠組みを構築することで、就労支援・所得保障政策の再構築を目指すことである。具体的な研究計画は、(a)ワークフェアの起源とジェンダーの仮説、(b)ワークフェアの変容とリベラリズムの仮説(1960年代まで)、(c)ワークフェアの変容とリベラリズムの仮説(1970年代以降)、について明らかにし、(d)単著『ワークフェアの起源と変容』を刊行することである。平成27年度の研究実績の概要として、以下の五点が挙げられる。 第一に、アメリカの就労支援を主題とする学術書の書評論文を刊行し、公的扶助と就労支援を関連付けて考察するための分析枠組みの精緻化を行った。 第二に、アメリカの福祉改革をジェンダーの観点から考察した学術書について書評論文を刊行し、(a)について分析するための分析視角を深めた。 第三に、ニューヨーク市の事例をもとに1970年代のワークフェア政策(労働救済雇用プロジェクト)について福祉社会学会で報告し、実態把握を行うとともに(c)について分析を行った。 第四に、(a)(b)について実証するために、就労支援プログラム(Community Work and Training Programsや Work Incentive Program)について、ワシントンDCの連邦議会図書館で議会資料や行政資料の収集を行った。 第五に、(d)の一環として、先行研究を整理し、そのなかに本研究を位置づける作業を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、1970年代のワークフェアの変容について、カリフォルニア州のみ事例研究を行う予定であった。しかし、上述の(c)ワークフェアの変容とリベラリズムの仮説(1970年代以降)について説得力を増すために、1970年代のニューヨーク市の事例検討も加えた。 これによって、(a)ワークフェアの起源とジェンダーの仮説、(b)ワークフェアの変容とリベラリズムの仮説(1960年代まで)、についての研究がやや遅れ気味である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策として、上述の理由から進捗状況がやや遅れている、(a)ワークフェアの起源とジェンダーの仮説、(b)ワークフェアの変容とリベラリズムの仮説(1960年代まで)、について重点を置いて研究を進める予定である。また(c)ワークフェアの変容とリベラリズムの仮説(1970年代以降)については、ニューヨーク市でフィールドワークを行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年3月に行った東京での調査旅費を次年度執行とした。
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次年度使用額の使用計画 |
ニューヨーク市での調査旅費と、国内での調査旅費、ならびにワークフェア関連の書籍や文具類に使用する予定である。
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