研究課題/領域番号 |
15K17243
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研究機関 | 旭川大学短期大学部 |
研究代表者 |
清水 冬樹 旭川大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (80459833)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 居場所 / 学習支援 / 話を聞いてもらえる / 受容 / 共感 / 中高生 / 生活支援 / 家族支援 |
研究実績の概要 |
初年度は、ひとり親家庭の子ども支援に関する先行研究のレビュー、並びに支援者へのヒアリング、ひとり親家庭で育った青年たちへのヒアリング、それらの成果を踏まえた研究報告を子ども家庭福祉学会と家族問題研究学会において行った。また、年度末にはシンポジウムを開催することができた。 レビューを行った中での特徴として、子どもたちやひとり親家庭で育った青年たちの思いや意見を取り上げるものが大変少ないということであった。また、青年たちへのヒアリングで挙げられた当時あったら良いと思った支援について、そうした社会的な支援を受けようと思うこと自体がなかったと異口同音に語られた。対象者は必ずしも暮らしが困難であったとは捉えていないようであるが、相談をしたらいけないと考えていたという。ただし、学校の先生やバイト先の大人が、じっくりと話を聞いてくれる経験は好意的に捉えていた。ひとり親家庭で育ったということではなく、1個人として捉えてもらえたことが重要であったようである。 支援者へのヒアリングは、川崎子ども夢パークの西野博之氏とNPO法人日向ぼっこの渡井隆行氏、NPO法人Kacotamの高橋勇造氏、しんぐるまざーず北海道の平井照枝氏に行うことができた。計画当初よりヒアリングが多く行うことができたのは、偶然にも北海道や旭川にお越しいただく機会があったためである。 いずれもとも日頃の取り組みとして大切にしていることは、まずは子どもたちの話を聞くということであった。 年度末には、「作ろう!!こどもとおとながつながるいばしょ」と題したシンポジウムを開催することができた。先述の高橋氏と札幌で多世代の居場所づくりを行っている小林真弓氏をお招きした。支援をしてあげる、という視点ではなく、子どもたちと一緒に過ごすという視点が必要であることが、多様な形で示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ヒアリング、ならびに初年度の成果報告としてのシンポジウムを開催することができたのは、当初の計画以上の成果であったと考えている。 そのため、学習支援は「勉強すること」を通じて、地域と子どもがつながることができる役割を持っていることを理解することができた。しかし、家族が生活課題を抱えている場合、そこへどのようにアプローチすべきかその術を必ずしも地域のこどもの居場所の取り組みは持ち合わせているわけではない、ということも可視化することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は量的調査を実施する予定である。 平成27年度厚生労働省子ども子育て支援推進調査研究事業に参画する機会を2015年度は得ており、量的調査をすでに実施している。この結果を踏まえた上で、改めて被災地ではない地域における学習支援の子どもたちの生活課題を可視化するために調査を行いたいと考えている。 ただし、当初の計画では12月頃を目処にしていたが、中学校3年生や高校3年生は受験を控えていることもあり、支援者と相談の上、次年度の実施とする可能性がある。その分、秋口に学習支援を利用している、あるいはしていた子どもたちへのヒアリング調査を実施したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
おおよそ計画通り使用できている。
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次年度使用額の使用計画 |
USBメモリーや印刷用紙等に使用する
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