2017年度はZ県Y市における子どもの貧困調査に参画する機会を得た。Y市の報告書は2018年3月に公表され、細かい分析はその後となるため、研究期間は終了したが引き続き分析を行っていく。なお、Z県も同様の調査を2016年度に実施していたことから、自治体間の比較分析も今後可能となる。 当該調査を実施するに当たって、高校生調査や様々な困難を抱える子どもたちの居場所づくりを行っている支援者に対するヒアリング調査も引き続き実施することができた。そこから得られた結果は以下のようなものであった。・支援をする者される者の境界線を如何にしてぼやかすことができるか・支援を自分ごととして受けるのではなく、子ども自身が利用するようになる・先行研究における議論に見られるような、個人的側面、環境的側面、物語的側面、文化的側面のうち、子どもの貧困対策は個人的側面と環境的側面に重きを置いてきた・物語的側面と文化的側面については実践が先行しており、研究をどのように展開するか今後の課題となるなどである。これらの整理については上述した量的調査の分析とともに考察を行う予定である。
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