本研究課題は、介護職員の社会的地位向上に貢献しうる相互行為実践の分析を行うことと、その研究プロセスの鍵となる身体的・物理的資源の分析的観点を提案することを目指すものである。グループホームの介護職員による利用者(認知症高齢者)の状態についての報告に着目した分析、および、相互行為におけるジェスチャーの同期に着目した分析の結果、会議中に介護職員たちが理解共有のために行っている実践の一端を明らかにし、相互行為における身体的・物理的資源の分析的観点としてジェスチャーの粒度や強弱に着目することを提案した。また、身体的・物理的資源の相互行為的探究に資する知見および分析的課題の提示も行った。
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