研究課題/領域番号 |
15K17252
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小宮 あすか 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (50745982)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 住居流動性 / 平等規範 / 社会生態学的アプローチ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、集団成員の流動性の高まりが平等分配(貢献度によらず資源を平等に分配する分配方法)の規範を弱める可能性について、社会生態学的観点から実証的に検討することである。具体的には、集団成員が流動的であるような社会状況では、固定化されているような社会状況と比較して、i) 誰が資源を分配しない人かを知覚しにくいこと、またii) そのような人間の資源の持ち逃げを許すことから、平等分配が適応的ではないという理論的予測を、調査研究と実験研究を実施し、実証的検討を行う。 平成29年度は、引っ越しが、貢献度によらない一定の報酬の分配(平等分配)への選好に与える影響について、その因果関係を仮想場面法で検討した。この結果、引っ越しの多い状況を想起させた群は、その他の群(引っ越しの少ない状況を想起した群、日常生活を想起した群)と比較して、より平等分配への選好が強くなることが示された。この実験はアメリカにて実施されたため、現在、日本で追試を行っている最中である。本研究の結果は、第59回日本社会心理学会にて発表する予定である。 また、平成29年度には研究3として集団成員の流動性を操作した行動実験を行い、実験パラダイムを確立する予定であった。しかし29年度には上記調査の実施、分析に時間を費やしたこと、また研究時間の確保の困難さにより、実験実施には未だ至っていない。今後、行動実験を速やかに実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
日本社会心理学会大会の運営委員となり、研究時間の確保が著しく困難であったため。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度には集団成員の流動性を操作した行動実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の遅れのため、行動実験の実施費用が繰り越されている。平成30年度に、行動実験実施、および国際学会への参加費用に用いる。
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