研究課題/領域番号 |
15K17257
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研究機関 | 東京国際大学 |
研究代表者 |
尾関 美喜 東京国際大学, 人間社会学部, 講師 (30574735)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 集団規範 |
研究実績の概要 |
本年度は、集団規範が変わる過程を明らかにするために、大学祭運営組織の規約改編会議議事録の内容分析を、グラウンデッド・セオリーアプローチを援用して行った。 この結果から、集団規範の改変は、理想の集団と集団が現時点で置かれているギャップとの認識がきっかけとなり、理想の集団を実現しようとする成員の意思によって始まることが示唆された。その後、既存の規範の内容に対する疑問点の洗い出しが行われる第一段階の議論を経て、具体的な提案などがなされる、第二段階の議論に推移していた。 この過程は、集団での意思決定のプロセスに関する諸研究で明らかにされてきた知見と一貫していることから、本研究で得られた結果には一定の妥当性が得られたと考えられる。 なお、結果の一部は、日本社会心理学会、2016年度のInternational Congress of Psychology(採択済み)にて発表し、2016年度の日本社会心理学会第54回大会にて最終的な結果を報告する予定である。 この結果について論文執筆を行っており、Group Dynamics: Theory, Research, and Practiceに投稿する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度中に終了予定だった内容分析が終了し、論文執筆に入ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
論文を英訳して2016年度中に海外の査読付き学術雑誌に投稿する。 2016年度の前半には、個人の心的過程においてみられる集団規範の継承に影響すると考えられる諸要因を整理し、継承動機を測定する尺度作成のための予備調査を実施し、後半には本調査を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
物品費、旅費、学生アルバイト謝金が別に持っていた予算で、2015年度を最終年度にしていた予算から融通することができたため。
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次年度使用額の使用計画 |
質問紙調査・データ整理補助のアルバイト学生を雇用する予定である。旅費で余った分は、今後の国際学会での発表にまわす予定である。
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