研究成果の概要 |
本研究では、実験的手法を用いてバーンアウトの生起メカニズムを検討した。学生を対象とした実験では, 対人援助職の職務に対する理想や使命感が高ければ, 良好な結果が得られなくても, 繰り返し実験に参加することが明らかとなった。この繰り返し行動による精神的消耗の蓄積が典型的バーンアウトの生起メカニズムであると考えられる。一方, 多くの参加者は, 報酬が得られない場合には情熱を減少させ, 次の実験に参加しなかった。これらの結果から典型的バーンアウトは, すべての対人援助職の潜在的職業病ではなく, 一部の性格特性を備えた人に発生する特徴的な状態像であることが示唆された。
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