研究課題/領域番号 |
15K17263
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研究機関 | 宮城教育大学 |
研究代表者 |
越中 康治 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (70452604)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 道徳性 / 発達観 / 指導観 / 保育士 / 幼稚園教諭 / 小学校教諭 / 言葉かけ / 保幼小連携 |
研究実績の概要 |
今年度は,保育者及び教師と学生の道徳指導観を比較検討することを目的として,横断的なデータの収集に努めた。例えば,「幼児及び児童の集団場面での逸脱行為に対して保育者・教師が大きな声で叱った」などの状況を提示した上で,その行為の適切性について判断を求めるとともに,自身が保育者・教師であったとしたらどのような言葉かけや対応を行うかについて自由記述を求めた。これらのデータについて,現在分析を行っているところである。また,上記のような場面想定法によるテキストデータの収集と並行して,道徳発達観及び指導観に関する項目について評定を求めることにより数量的なデータも収集し,分析結果の一部を下記で報告した。例えばそのうちのひとつでは,保育者と小学校教諭を対象に質問紙調査を行い,権威主義的伝統主義尺度への回答を求めるとともに,幼児期の道徳発達に関するイメージの各項目について幼稚園や保育所(園)の年長児(5歳児)にどの程度あてはまると思うかを尋ねた。その結果,保育者は小学校教諭に比して,年長児は自分のことは自分ですることができ,自分の気持ちを抑えて我慢することができるとイメージしていた。他方,小学校教諭は保育者に比して,年長児ではやって良いことと悪いことの区別は難しく,大人が正しいと言えば何でも正しいと判断するとイメージしていた。また,権威主義的伝統主義傾向の強い保育者・教師ほど,年長児はやって良いことと悪いことの区別は難しいとイメージする傾向にあることが示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
テキストデータの収集を進めるとともに,これと並行して数量的なデータも収集し,その分析結果の一部を報告するところまで研究を進めることができた。上記をもって,研究はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画ではテキストデータの収集・分析を中心に研究を進めていく予定であったが,初年度の取り組みの中で,テキストデータにとどまらず数量的なデータも収集することが重要であると考えられたため,これをあわせて収集することとした。今後も両側面からデータの収集・分析に努めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
端数が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
消耗品の購入に使用する。
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