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2018 年度 実績報告書

保育者と小学校教諭における道徳指導観の相違:違反行為に対する言葉かけの比較から

研究課題

研究課題/領域番号 15K17263
研究機関宮城教育大学

研究代表者

越中 康治  宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (70452604)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワード道徳 / 発達観 / 指導観 / 保育士 / 幼稚園教諭 / 小学校教諭 / パーソナリティ / 言葉かけ
研究実績の概要

最終年度である今年度は,保育者と小学校教員における道徳指導観の相違について,主として数値データの分析から検証を行った。
例えば,保育者と教員の道徳教育に対する考え方と権威主義的伝統主義及びDark Triad との関連について,性差及び属性による違いを含めて探索的に検討を行った。その結果,①権威主義的伝統主義傾向の強い現職者ほど,道徳教育において価値や美徳を伝えることを重視し,道徳的な成熟は美徳を身につけることであると認識する傾向にあること,②Dark Triad 傾向(中でもマキャベリアニズムとサイコパシー傾向)の強い現職者ほど,人間の本質は悪であり,抑制されなければならないと認識する傾向にあること,③現職者の道徳教育観においては,性差に加えて属性(保育者・教員)による違いも見出され,教員においては女性に比して男性が,人間の本質は悪であり,道徳は社会によって異なると認識する傾向にある一方で,保育者に比して特に男性教員は,教育の目的を集団のためと認識する傾向にあることなどが見出された。
また,教員のパーソナリティと道徳教育についての考え方についての検討にも取り組んだ。具体的には,権威主義的伝統主義と道徳の教科化に対する態度の関係性が,道徳教育均質化志向を媒介因子として仮定することによって,より良く説明されることを示すことを目的として,教育学部生と小・中学校教員を対象に質問紙調査を行うなどした。権威主義的伝統主義尺度,道徳教育均質化志向尺度,そして道徳の教科化に対する態度について尋ね,権威主義的伝統主義と道徳の教科化に対する態度の関連性における道徳教育均質化志向の間接効果をBootstrap 法によって検討した。その結果,教育学部生と小・中学校教員の双方において,許容範囲内の間接効果が認められ,想定した媒介モデルの妥当性が示された。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] 道徳教育観と権威主義的伝統主義及びDark Triadとの関連 (1) ―教育学部生を対象とした予備的検討―2019

    • 著者名/発表者名
      越中 康治
    • 雑誌名

      宮城教育大学紀要

      巻: 53 ページ: 279-286.

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 道徳教育観と権威主義的伝統主義及びDark Triadとの関連 (2) ―保育者と教員を対象とした比較検討―2019

    • 著者名/発表者名
      越中 康治・目久田 純一
    • 雑誌名

      宮城教育大学紀要

      巻: 53 ページ: 287-295.

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 道徳の教科化に賛成する学校教員は権威主義的伝統主義者か?2019

    • 著者名/発表者名
      目久田 純一・越中 康治
    • 雑誌名

      梅花女子大学心理こども学部紀要

      巻: 9 ページ: 41-48.

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 出産メモリアル事業「BabyStory」が子育てに及ぼす影響―テキストマイニングによる感想はがきの分析を通して―2019

    • 著者名/発表者名
      越中 康治・松井 剛太
    • 雑誌名

      宮城教育大学情報処理センター研究紀要

      巻: 26 ページ: 51-56.

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 児童館等職員が考える放課後児童クラブ職員の専門性―KH Coderを用いた自由記述の分析から―2019

    • 著者名/発表者名
      目久田 純一・中村 多見・越中 康治
    • 雑誌名

      宮城教育大学情報処理センター研究紀要

      巻: 26 ページ: 57-64.

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 保育者は保護者とのかかわりの際に何を心がけているのか―バーンアウト傾向と保護者支援の困難さについての認知との関連―2019

    • 著者名/発表者名
      越中 康治・中村 多見・目久田 純一
    • 雑誌名

      宮城教育大学情報処理センター研究紀要

      巻: 26 ページ: 65-72.

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 就学移行期における障害のある子どもに関する記録物の作成と活用に関する実態調査―就学前施設と小学校を対象として―2018

    • 著者名/発表者名
      越中 康治・上田 敏丈・若林 紀乃・濱田 祥子・岡花 祈一郎・中西 さやか・廣瀬 真喜子・松井 剛太・八島 美菜子・山崎 晃
    • 雑誌名

      幼年教育研究年報

      巻: 40 ページ: 49-60.

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 就学移行期における障害のある子どもへの配慮の引継ぎ―なぜ就学前の日常的な配慮が小学校で活用されにくいのか―2018

    • 著者名/発表者名
      若林 紀乃・上田 敏丈・越中 康治・岡花 祈一郎・中西 さやか・濱田 祥子・廣瀬 真喜子・松井 剛太・八島 美菜子・山崎 晃
    • 雑誌名

      乳幼児教育学研究

      巻: 27 ページ: 35-43.

    • 査読あり
  • [学会発表] 児童館等職員の専門性に関する意識調査(1)―就業理由の全体的傾向と年齢及び保有資格による特徴―2019

    • 著者名/発表者名
      中村 多見・目久田 純一・越中 康治
    • 学会等名
      日本発達心理学会第30回大会
  • [学会発表] 児童館等職員の専門性に関する意識調査(2)―児童館等職員が考える放課後児童クラブ職員の専門性―2019

    • 著者名/発表者名
      目久田 純一・越中 康治・中村 多見
    • 学会等名
      日本発達心理学会第30回大会
  • [学会発表] 児童館等職員の専門性に関する意識調査(3)―子どもの権利の保障と高学年児童の受け入れに求められるもの―2019

    • 著者名/発表者名
      越中 康治・中村 多見・目久田 純一
    • 学会等名
      日本発達心理学会第30回大会
  • [学会発表] 道徳教育均質化志向と権威主義及び道徳の教科化への態度との関連(1)―小・中学校教員と教育学部生を対象とした比較検討―2018

    • 著者名/発表者名
      越中 康治・目久田 純一
    • 学会等名
      日本パーソナリティ心理学会第27回大会
  • [学会発表] 道徳教育均質化志向と権威主義及び道徳の教科化への態度との関連(2)―権威主義と道徳の教科化への態度の関係性に及ぼす道徳教育均質化志向の媒介効果―2018

    • 著者名/発表者名
      目久田 純一・越中 康治
    • 学会等名
      日本パーソナリティ心理学会第27回大会

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公開日: 2019-12-27  

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