研究課題
若手研究(B)
本研究は生後1年目における乳児の情動発達の個人差を規定する諸要因について実証的に明らかにすることを目的とした研究である。母子53組を対象に生後3ヵ月から10ヵ月にわたって計4回の縦断調査を実施した。分析の結果、母親の情動経験や家族の情緒的雰囲気が後の乳児の喜びや怒りの情動表出と有意に関連したことが示された。乳児期の情動発達に養育環境の要因が影響を及ぼすことが示唆された。
発達心理学
本研究は乳児期の情動発達に関わる要因について検討することを目的とした研究である。分析の結果、日常における母親の情動経験や家族の情緒的雰囲気が後の乳児の喜びや怒りの情動表出と関連したことが示された。これまで乳児の情動は生得的で不変的な気質的特性として見なされることが多かったが、生後1年目より乳児の情動発達は養育環境の要因によっても一定の影響を受けることが示唆された。このことは、乳児の情動発達に関して新たな知見をもたらし、今後の研究のさらなる発展に寄与し得るものと思われる。