研究課題/領域番号 |
15K17271
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 大幸 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 特任助教 (80611433)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 自閉症スペクトラム障害 / fMRI / ユーモア / 感情 |
研究実績の概要 |
自閉症スペクトラム障害(ASD)のメカニズムに関して、従来、心の理論や実行機能などの認知機能の障害によって説明を試みる理論が支配的であったが、近年、具体的な教示のもとではASD児者の社会的認知の障害が見られなくなるという報告が相次ぎ、社会的動機づけや認知-感情相互作用の特異性をASDの中核的要素と位置づける理論が関心を集めている。行動研究においては、ASD児者が、恐怖、嫌悪、怒りなどの“基本感情”よりも、複雑な情報の統合を必要とするユーモア、道徳感情、愛着感情などの“社会的感情”において特異性を示すことが明らかになっているが、ASD児者の社会的感情に関する機能的脳画像研究の報告はほとんどない。本研究は、ASD者における脳内の認知-感情ネットワークの特異性について、複数の社会的感情を切り口として多角的に検討を行う。 今年度は、ASD者および定型発達者を対象としたfMRI実験を完了し、解析作業を行っている。ASD者と定型発達者の間で、ユーモアとその3つの認知的要因に関わる脳領域の活動や相互の構造的・機能的結合性にどのような差異が見られるかを検討する。ASD者における脳活動や結合性の“低さ”に加え、“高さ”にも着目し、障害を補償するネットワークの存在についても検証した。さらに、脳活動のパターンによって、どの程度の精度で定型発達者とASD者を識別することができるか、また、ASD群の中で、脳活動や結合性がASDの行動症状とどの程度関連するかを検証し、fMRIを用いた診断補助や症状評価の可能性について検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究機関の異動が決定し、本研究課題とは関係しない引き継ぎなどの業務が増大し、本研究課題へのエフォートが一時的に低下せざるを得なかったため。
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今後の研究の推進方策 |
一般線形モデルに基づき、各認知的要因の操作にともなうBOLD信号の変化を解析し、各プロセスに関わる脳領域を同定する。また、全ての要因に共通して変化を示す脳領域ををシード領域として他の脳領域との機能的結合性を算出する。定型発達者とASD者で、これらの脳領域の活動や機能的結合性を比較する。
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次年度使用額が生じた理由 |
所属機関の異動が決定し、本務において引き継ぎなどの業務が発生したことにより、本研究課題へのエフォートが一時的に低下せざるを得ず、研究の遂行に遅れが生じたため。
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