研究課題/領域番号 |
15K17272
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
清水 真由子 大阪大学, 人間科学研究科, 助教 (60707793)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 共同意図 / 協力行動 |
研究実績の概要 |
大規模な集団で互いに助け合う社会を形成するのは、人社会の大きな特徴である。このような協力的な社会を形成・維持するためには、相手の特徴や相手の状況に応じた向社会的行動が不可欠である。相手の置かれた状況要因の一つとして、「相手が向社会的行動を必要としているのか」が挙げられる。例えば日常場面では、必ずしも周りからの援助を必要としておらず、一人でやりきりたいと懸命に取り組んでいる状況も多々あるだろう。そのような状況では「あえて助けない」ことが重要となり、援助は余計なおせっかいになってしまう。向社会的行動の一つである協力行動に関しては、共同意図 (joint intention) に基づいて協力関係を構築するのが、人と他の動物種との大きな違いであることが示唆されている。 本研究では幼児が共同意図に基づいて協力行動を示すのかに着目した。共同意図に基づいて協力するためには、相手が共通目標を目指していることを意識して共に助け合う必要がある。本研究では、相手が共通目標を目指していない状況で「あえて助けない」行動がどのように発達するのかを検討した。具体的には、紙芝居を用いた仮想場面において相手との間に共同意図がある状況、ない状況を提示し、それぞれの状況で幼児がどのように行動するべきだと思っているのか、またその行動の理由を聞き取ることによって、幼児が共同意図に基づいた協力行動の必要性をいかに認識しているのかを調べた。 その結果、4-5歳齢児では相手の共同意図がないことが明確に示された状況であっても、援助を控える傾向はあまり見られなかった。また、相手の共同意図に応じて協力するかどうかには誤信念課題の得点が影響することがわかった。つまり他者の心的状態を理解できる児ほど、相手の共同意図に基づいた協力行動を示すようになる可能性が考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
年度前半に育児休業を取得したため、計画に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
共同意図に基づいて協力行動が取れるかどうかが、児の仲間関係に影響するのかを分析する。児の仲間関係については、保育園において行動観察を行い、それぞれの児ごとに中心性指標を算出し検討を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加予定であった国際学会に参加しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
国内外の学会において研究成果を発表していく予定である。
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