研究実績の概要 |
平成28年度における研究実績は、1.主体的な学修態度尺度の妥当性を古典的テスト理論だけでなく新テスト理論(i.e., 項目反応理論)によって検討したこと、2.国内外における研究会・学会に参加することにより研究を推進するための情報収集を行ったこと、3.前年度に開発した日本版VALUEルーブリックの利便性を向上させるため、新たな尺度として本質的な学修成果尺度(Essential Learning Outcome Scale)の開発を行ったことにまとめることができる。1に関して、これまでの研究成果で得られた観点に加えて項目反応理論を用いて主体的な学修態度を検討することで、その妥当性および項目特性を精緻に分析した。その結果は日本教育工学会論文誌に掲載された。2に関しては、3つの国際学会(i.e., International Conference on Psychology, International Association for Cross-Cultural Psychology, European Association for Research on Adolescence)および1つの国内学会(i.e., 青年心理学会)に参加し、データを解析するための統計技法に関する情報及び大学生の学びと成長についての情報を収集した。3に関しては、前年度に開発した日本版VALUEルーブリックの記述内容に基づき、本質的な学修成果尺度の項目を作成した(i.e., 90項目)。ルーブリックの基準を尺度化することにより、大規模なサンプルの学修成果をこれまで以上に簡易に測ることが可能となった。開発された項目の信頼性および妥当性を検討するため、大学生800名にオンライン調査を行った。現在は得られたデータを基に分析を行っているところである。
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