• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

動機づけが高まる「ほめ」に対する子どもと教師の認識の比較

研究課題

研究課題/領域番号 15K17278
研究機関藤女子大学

研究代表者

青木 直子  藤女子大学, 人間生活学部, 准教授 (20453251)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2017-03-31
キーワード動機づけ / ほめ / 児童 / 教師
研究実績の概要

本研究の目的は,学習への動機づけを高める教師の「ほめ」について,ほめられる側である小学生とほめる側である教師の視点から明らかにすることである。平成27年度は,以下の調査を行った。
A.小学生を対象としたインタビュー調査:小学校1~6年生に対し,学校の先生から勉強に関することでほめられたエピソードをたずねた。その結果,うまくできたこと・発言・学習への態度などをよくほめられていることが明らかになった。また,動機づけが高まる「ほめ」として,今後への期待を示した「ほめ」・みんなの前での「ほめ」などが挙げられた。
B.教師のほめ方に関する文献調査:子どもの動機づけを高めるほめ方に関する論文・書籍を整理し,教師の視点からみた子どもの動機づけを高める「ほめ」を整理した。
C.小学生を対象とした質問紙調査:小学校1~6年生を対象とし,動機づけが高まる小学校の教師からの「ほめ」についてたずねた。質問紙の項目は,Aの結果を元に作成した。その結果,学年全体の傾向として,できなかったことができたとき・難しいことができたときなどにほめられると動機づけが高まり,疲れているとき・嫌いな勉強をほめられたときなどには動機づけが高まりにくいと考えていることが明らかになった。また,項目の全体的な傾向として,学年が上がるほど,教師からの「ほめ」によって動機づけが高まる効果が低く評定されることも明らかになった。
D.小学校教師を対象とした質問紙調査:小学校教師を対象とし,子どもの動機づけを高める「ほめ」をたずねた。質問紙は,Bで収集したものにCの項目を加え,子どもと教師双方の視点からみた動機づけを高める「ほめ」をたずねるものとした。その結果,教師は子どもとの信頼関係がある「ほめ」は動機づけを高め,疲れているときや難易度が普通のことへの「ほめ」は動機づけを高める効果が低いと認識していることなどが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度は,交付申請書に記載した2つの調査を実施することができた。また,当初は,教師を対象とした質問紙調査について,教師の視点から作成した質問紙と子どもの視点から作成した質問紙の2種類を作成し,前者を用いた調査を平成27年度,後者を用いた調査を平成28年度に行う予定であったが,それらを1つにまとめた質問紙を作成することにより,次年度に実施予定であった調査を本年度中に実施することができた。これらのことから,おおむね順調に進展していると自己評価する。

今後の研究の推進方策

平成27年度は,子どものインタビューデータを元に項目を作成し,子どもにとって動機づけが高まる教師からの「ほめ」とは何かを明らかにする質問紙調査を行った。また,教師を対象とした調査では,教師向けの書籍などで示される動機づけを高めるほめ方と,子どもを対象としたインタビューデータから得られた子どもにとって動機づけが高まるほめ方についてたずねる質問紙を作成し,調査を行った。これらの結果を元に,平成28年度は,教師の考える動機づけの高まる「ほめ」に対する子どもの認知と,子どもの考える動機づけを高める「ほめ」に対する教師の認知について,質問紙調査・インタビュー調査により明らかにする予定であった。
しかし,本年度行った調査(D)で明らかになった,教師にとって子どもの動機づけを高める「ほめ」は,子どもとの信頼関係を築いた上でほめる・子どもが信頼している教師がほめるといったものであった。これらの項目は,年齢の低い子どもに質問紙調査でたずねるには難しいと考えられる。そのため,予定していた質問紙調査ではなく,子どもの理解度に応じた補足説明をすることの可能なインタビュー調査に変更し,研究を続行する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 勉強場面における教師からのポジティブフィードバック-小学生対象のインタビュー調査による検討-2016

    • 著者名/発表者名
      青木直子
    • 学会等名
      日本発達心理学会第27回大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2016-04-29 – 2016-05-01

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi