研究課題/領域番号 |
15K17287
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
砂川 恵美 東北大学, 大学病院, 臨床心理士 (80748252)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 認知行動療法 / 統合失調症 |
研究実績の概要 |
本研究は、精神病への認知行動療法(CBT for Psychosis:CBTp)の教育・研修体制を確立し、わが国にCBTpを普及させるための環境の整備・構築に寄与することを目的とする。CBTpを実施する際に、セッションの録音記録を元に専門家がスーパービジョン(SV)を実施し、SV下でセラピストが安全にCBTpを統合失調症患者に実施でき、治療前後において精神症状が改善し、患者から高い治療満足感が得られるのか否かを明らかにする。また、CBTpを評価するCognitive Therapy for Psychosis(CTS-Psy)を使用し、その信頼性妥当性を検討する。 H27年度2月から臨床試験のリクルートを開始し、H28年度4月から1例目への介入を開始した。介入する中で、プロトコルに問題がないかを確認し、Skypeを使用して外部の専門家と定期的にSVを実施した。 1例目は、介入開始後に、CBTpとは関連のない事象を要因に入院したため、一時的にCBTpを中断した。しかし、その後に対象者の希望もありCBTpによる介入を再開し、結果的に介入終了まで安全にCBTpを実施することが出来た。介入期間は約10ヶ月間であった。H28年度10月に2例目への介入を開始し、現在継続中である。 東北大学病院精神科通院中の外来患者を対象にリクルートを行っていたが、研究の基準を満たして研究に参加する希望者が少ない状況にあった。このため、院内での研究の周知を強化する対処を行い、H28年度3月までに2名の参加候補者が集まり、現在、研究参加への準備を進めている。 また、施設外の専門家に研究協力を依頼し、その専門家が所属する施設の外来患者を対象に3例目の介入を開始した。その他にも、内外の専門家への周知や研修計画を立てるなどして研究参加者を募るための活動を継続した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目標対象人数は13名であるが、適格基準を満たし、研究への参加を希望する対象者が集まりにくく、セラピストの人数も限られているため、本介入の進捗が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
現在の2,3例目の介入を継続し、また参加候補者2名の研究参加への準備を進め、研究同意が得られた場合に介入を開始する。 施設内において、CBTpに適した事例を集めるための周知活動を強化し、また施設外の研究協力者に対しての周知と研究に必要な研修を行い、研究参加者を募るための活動を強化する。H29年度9月までに、さらに8例の参加者が得られるように努力する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は研究が予定通りに進まず、本試験介入数が少なかったため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は本試験介入の件数が増えることが予想され、そのため人件費の支出が増えると予想される。また、情報収集や研究の進捗状況を発表するために学会等に出席する回数が増えることが予想されるため、それらのために使用する予定である。
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