本研究では、子どもの性別違和感についてその実態把握と心理社会的不適応との関連を検討するため、小学校4年生から中学校3年生を対象に質問紙調査を実施した。まず、子どもの性別違和感を測定するための尺度について、12項目からなる尺度を作成した。第二に、性別違和感と心理社会的不適応との関連については、性別違和感が抑うつ・攻撃性に及ぼす影響について、友人関係・教師関係・家族関係・学業ストレス・ソーシャルサポートの不足が媒介することを実証した。第三に、性別違和感の時間的安定性を検討したところ、女子は学年が上がるにつれて相関係数は上昇すること、男子は中程度の相関にとどまることが確認された。
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