本研究の研究成果は大きく二つに分けられる。一つ目は,インターネット上で提供される心理援助が対面式の援助への援助要請行動を促進する可能性を示した点である(梅垣,2016)。二つ目は,うつ・不安のリスクがある高い反すう・心配傾向のある大学生を対象とした認知行動療法に基づく自助プログラムを開発し,予防的効果を検討した点である。量的指標の変化は平成30年5月現在フォローアップ調査中であるが,完遂者を対象としたインタビュー調査からは,「対処方法を学ぶこと」と「自己分析」が自助プログラムの効果として示された(梅垣・松岡・岩垣・樋口,2018)。
|