本研究では、慢性疼痛に対する認知行動療法の治療効果を高めるために、効果的な治療プログラムの整備、本邦での慢性疼痛患者への認知行動療法の実態調査、および治療効果と治療反応性の予測因子の検討を行うことを目的とした。治療プログラムとして、先行研究をもとに症状維持モデルを基盤としてマインドフルネス認知療法や行動活性化療法を取り入れた柔軟性の高いプログラムを整備した。また、実態調査と系統的レビューの結果、有用な標準的プログラムと効果指標がなく、浸透していない現状が明らかとなった。そして、慢性疼痛患者への認知行動療法の治療反応性の指標としては、報酬知覚が有用である可能性が示唆された。
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