本研究では85歳以上の超高齢健常者と健常な若年高齢者、超高齢アルツハイマー病(AD)患者を対象に認知機能検査の成績を比較し、超高齢者の認知機能の特徴を明らにした。結果、MMSEのみならずADAS-J cog.やRBMT等のより難易度が高い認知機能検査でも、超高齢健常群は前期・後期高齢健常群とほぼ同程度の成績が維持されることが示された。また、超高齢健常群と超高齢AD群において、MMSEの最適なカットオフ値は推奨されている値とほぼ同じである一方、MoCA 、RBMT標準プロフィール点では推奨されているカットオフ値より低く、超高齢者を対象にこれらの検査を実施する際には留意する必要があると考えられる。
|