研究課題/領域番号 |
15K17303
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
石田 真弓 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (80636465)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 再発・進行がん / 集団精神療法 / 心的外傷後成長 |
研究実績の概要 |
がん患者の50-60%は進行・再発によって治癒不能となり、死の転帰をたどる。よって、「治癒不能」を意味する「進行・再発」の精神的なストレスは初発時よりも大きい。全身状態の確実な悪化が予測される中、精神状態を改善・維持することは患者の生活の質(QOL)を保つために重要かつ不可欠である。そこで、埼玉医科大学国際医療センター精神腫瘍科では、進行・再発がん患者を対象とした集団精神療法を実施している。これまでの研究により、本集団精神療法の有益性は示唆されているため、本研究では本治療法の普及を目的とした、集団精神療法プログラムの開発としている。 本研究は、①治癒不能がん患者を対象都市、②がん種を限定せず、③集団精神療法として、④認知再構成と心的外傷後成長(PTG)を目指した、⑤月1回実施の単回プログラム構成の5点を組み込んだプログラムでの開発を目指している。 平成27年度から継続して、平成28年度は当初の計画通り、研究1として「治療に参加した患者の身体・精神状態推移の評価(診療録後方視的調査)」を実施し、本研究の予備的研究として、研究開始時までの治療参加者全員を対象とし、身体・精神状態の推移、PTGの生起を診療録から後方視的に評価し、改善・成長について検討した。 後方視的調査では45名のデータを集積し、参加開始時、欠席時、最終参加時の身体・精神状態について分析を開始している。 また、本研究を継続するなかで、研究対象者であった患者の身体症状の悪化に伴う、精神症状の悪化とその改善について症例研究を行い、論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述のとおり、症例数45を蓄積し、より多くの症例について分析することができている。また、治癒不能がん患者の身体・精神症状の悪化とその改善について論文発表を行ったことにより、昨年度・本年度の計画もおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は当初の研究通り、今後も進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は購入を予定していたパソコンやソフトを購入せず、研究を実施することができたため次年度使用額に変更が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は研究に対して使用するパソコンやソフトを必要時に購入し、今後の研究計画にそって研究を実施する。
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