本研究において,食事療法28項目,運動療法15項目,薬物療法13項目からなる糖尿病セルフケア行動回避的認知尺度が作成された。次に,抑うつ・不安の高い糖尿病患者においては,食事療法・運動療法・薬物療法のアドヒアランスに際して,回避的な考え方を強く有していることが明らかになった。また,そうしたセルフケア行動に対する回避的な認知が,望ましいセルフケア行動を阻害することが明らかになった。したがって,糖尿病患者の行動変容には,患者の認知をターゲットとした介入プログラムを実施し,回避的な認知を緩和することによって,アドヒアランスを高める必要性があることが本研究の結果から示唆された。
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